Enharmonic TAVERN×ASHOES 別注セットアップ完成

こんにちは、STAFF 井本です。
※予めお伝えしますが、今回の内容は長いので、ご了承下さい。
店頭ではすでにお伝えしていましたが、
ついにEnharmonic TAVERN×ASHOES 別注セットアップが完成となりました。
今回はその完成に至る、様々な思い、裏側をじっくりとお伝えしていこうと思います。
まず、今回の別注をさせてもらうことになった経緯を。
この話が持ち上がったのは半年前近く前の5月あたりからでした。

ご覧になられた方、お持ちの方もいらっしゃるかと思います。
Enharmonic TAVERN 2012-13 Autumn&Winter collectionで登場したマルチカラーセットアップ。
このアイテムは我々にも、お客様にとっても衝撃でした。
全生産数のうち当店だけで半分を販売してしまい、且つそれ以降も問い合わせがあった名作。
(個人的な話となると、私自身も手に入れることができなかった代物。)
2年経っても、どうしても忘れることができなかったのが最大の要因。
普遍的なものであるが故。
そこで、思い切って別注を打診してみました。

話を進める前に、なぜこの生地が希少で脳裏に焼きついたのか。
チェック柄というのはいくらでも出回っていますが、このTAVERNが作り上げた柄は完全オリジナル。
英国羊毛100%の糸を使い、手織りで仕上がった温もりを感じさせる風合い。
何色もの糸を組み合わせることで織り成す独特な色合い。
サンプル色見本のように大判のマス目に色を区切ることで質とプロセスへの拘りを持たせる。
合理化された商業主義へのアンチテーゼの象徴となる「作品」でした。
要するに効率的ではないことを形にした傑作だったのです。


そんな生地を使った傑作。
なんとか別注を承諾して頂き、次の段階へ。
全く同じものを「復刻」するのか。
新たなモノに挑戦するのか。
悩んだ点でした。
前回買って頂いた方への特別感。
さらに今回は今回だけの特別感。
何よりも、自分たちがまだ見ぬモノにチャレンジする高揚感。
結果、色を変えることを決断しました。
ただ、色を変えるとはいえども、どうするか。
上の写真は、この生地の組み合わせの図面です。
想像以上に複数の色糸が並び、それぞれが重なり合うことで表現されていた色合い。
前回は完成されたモノ。そこに手を加えること。
生地の良さを殺さず、新たな命を注ぐイメージ。
幾度も画像を加工して色を想像。
様々な思いをめぐらせた結果、「青」に決定することに。
このチョイスは当店のセレクトが関係します。
それは、幅広いジャンルをセレクトしていること。
前回のカジュアルさは残しつつも、綺麗に見えるバランスも組み入れたい。
その絶妙さは「青」で生み出されるのではという仮説のもと、決定しました。

もちろん、「青」といっても種類は様々。
最終候補は上の4パターンに絞られました。
ここからが想像の世界。

他の色糸と組み合わせ、想像する。
これをひたすら繰り返す。
これ以上ない、楽しい時間でした。
そして、迷いに迷った挙句、1つ選び抜き、依頼。
この段階では青色の糸は国内羊毛、他の色糸は英国羊毛という話でしたが、
まさかの国内羊毛がないという事態に。
そこで提案頂いたのが、グレーに染まった英国羊毛をさらに青に染め上げる手段。
こちらが想像していた以上にスペシャルな内容で問題なくOKサインとなりました。
そして、5ヶ月ほど経ち、様々な思いが詰まった生地が仕上がったとの連絡。

文句なしに完璧な組み合わせ。
ここからは仕上がりを待つばかり。
というわけにもいかず。

ジャケットとパンツに使用していたテープの在庫が足らないという事態。

イタリアでしか織れない2色のテープ。この2つから選ぶことに。
こういうディテールが最後の仕上がりを左右するのでまた何度も組み合わせてイメージ。
そもそも、別注した生地でジャケットやパンツが出来上がっていない状態。
想像に想像を重ねるという、複雑な作業に突入していました。
どちらの色を選んだかは実物をご覧下さい。
そうして半年間、考えに考えた別注セットアップがこちら。



自画自賛になりますが、いい仕上がりです。
あとは是非ご試着してみて下さい。
最後に、
今回の別注において一番悩みどころだった値段。
糸の値段が高騰していること、
当店のためだけに一から手織りで仕上げること。
どう考えても安く仕上がりません。
それでも、
別注をかけることで質を落とすわけにはいかない。
ですので、
ジャケットは85,000円(税抜き)、パンツは43,000円(税抜き)となりました。
正直、1000人中1000人が買える金額だとは言い切れません。
ただ、本当に気に入ってくれた方が数名でもいれば本望です。
売れ線を狙った「別注」ではなく、
セレクトショップとしての誇りを示す「別注」。
自らの進む方向を指し示すものとなりました。
大袈裟かもしれませんが、
私の中にはそんな思いがあります。
話が長くなり忘れそうになりましたが、
サイズ展開は44・46の2サイズです。
数は限定10着となります。
別注をするという段階で、まだ色も決まっていないときに御予約を頂いたりと数は減りつつあります。
まだまだ込めた想いは御座いますが、残りは店頭でお聞き下さい。
長々となりましたが、最後までお読み頂きまして誠に有難う御座いました。
最後となりましたが、
今回別注に快くご協力頂いた、丸岡さんはじめTAVERNの皆様、ご協力頂いた工場の皆様、
誠に有難う御座いました。
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